ご挨拶

乗り物好きを自任していましたが、このところ徒歩での旅行がマイブームです。

2012年6月23日土曜日

海を渡る阿房列車(7) - 鉄道フェリーMS Trelleborg船内散策

MS Trelleborgの船内駅を見た後で車内に戻り自分のバースに潜り込む。最上段のバースには登るのにも一苦労。バースに横になりブランケットをかぶって時間の経過するのを待つ。2時過ぎなので4時くらいまではこうして休むことにする。ザスニッツを出て対岸のトレレボリに着くまで所要4時間の航海。後半2時間程度の散策、見学で十分だろう。

船はいつ出航したのか分からないほど静かに港を離れ海上に出たようだ。なぜ分かるかと言えば、その揺れ。船はほとんど揺れないが、静かに横になっていると、線路を走るのとは明らかに違う揺れを感じる。すうっと下がったかと思うと加速しながら登っていく。ただし本当にごくわずか。それでもこれは波によるゆれだと分かる。うねりというものか。嫌いな人もいるだろうが、私にはゆりかごのように心地よい。だんだんと眠くなってくる。

少し眠ったようだが、4時過ぎに目が覚める。もう少し眠っていたいところだが、船内を見る機会はもうないかもしれないので、バースを出た。

当然だが列車は同じ位置に止まっている。撮った写真は眠気のせいか、船の揺れのせいかピンぼけ。いや揺れのせいにするのはよそう。私の手がぶれたのだ。船はほとんど揺れていない。

エレベーターもあったが階段で上のデッキに登る。途中、キャビンの配置図が壁にかかっていた。たった4時間の航海でもキャビンがある。そういえば青函連絡船も4時間くらいの航海だったがキャビンがあり寝台があった。ただ青函連絡船になくてこちらにあるのはキャビン内のトイレとシャワー。キャビンを使っている人がいるかどうか分からないが、自動車の長い旅ならシャワーを浴びられるだけでも便利だろう。ちなみにこのフェリーを運航するSkandlinesのサイトで調べると、運賃は16ユーロ、キャビン使用料は30ユーロからということだ。

次に見たのは船内の配置図。船首が球状船首でないのは、砕氷能力を持たせるためかもしれない。

階段をいくつも上がっていくとようやく一般乗客用のデッキにたどりつく。時刻は午前4時30分頃。バルト海の朝はもう明けていた。写真は、ドイツ側を望んで撮影したものだが陸地は見えない。風は冷たいが広々として清々する。サンデッキもあったが日光浴を楽しめるほどには温かくはない。

 次は後方のラウンジ。両替所や軽食コーナーがあるがいずれも営業していない。このラウンジの椅子は寝るには不便なのかあまり人気がない。奥にテーブルに突っ伏して寝ている人が一人見える。

南のザスニッツからトレレボリまでの航路を示す海図。バルト海を一直線の越える。

空港で見かけるような免税品店が船内にもある。買い物客はこの時間は独りもいなかったがキャッシャーには人がいたので買う人もいるのだろう。私もワインやビールを買いたいところだったが荷物になるので止めておいた。

ラウンジとは対照的に人気があるのはリクライニングシートの席。キャビンとは違い、こちらは特に椅子席使用料は不要。ただし早い者勝ち。その他、日本の船と違って桟敷席というのはないが、通路の床に寝ている人も多い。キャンプ帰りなのか寝袋を使う人も。

船内には歴代の就航船の写真と説明が掲げられている。

写りが悪くて申し訳ないが、かつてはこんな古めかしい船も就航していた。この路線はKöniglinie(キングラインの意味)といって伝統のある航路。かつては鉄道連絡も盛んだったようだ。現在は乗客は増えたが、旅客列車の連絡は、この夜行列車を除いて他にはない。

次の左の写真、FS Trelleborgが今乗っている船。列車デッキにはMSとなっていたが、ここではFSと書かれている。 Ferry Ship。

デッキの前方はレストランになっている。仕切りの向こうは、ビュッフェレストランだが、この航海では営業しない。トレレボリから出港すると営業を開始するようだ。現在準備中。食事は、軽食コーナーがありそこからもテイクアウトできる。

こちらはプロムナード(?)の座席。リクライニングしないが座り心地はまずまず。昼間の航海ならこの席でも十分。以前、Rostock(ドイツ)とGedser(デンマーク)の間で「阿房船」をやったが、そのときの船よりは座席の数が多いようだ。

船内のポスト。かつては船内郵便局もあったと聞くがこれがそうなのか。トレレボリに着くと手紙を回収するそうだ。切手はスウェーデンのものしか使えない。

バルト海のドイツ、スェーデン、デンマーク、ノルウェー、ポーランドの間には様々な航路がある。ここにはStena LineとScandilinesの航路が出ているが、二つの会社は提携関係があるのだろうか。他の航路もいつか体験してみたいもの。

これから熱いコーヒーを一杯飲み、その後はオープンデッキへ向かう。

2 件のコメント:

  1. こちらへのコメントは初めてでしたね。申し訳ないです。
    この鉄道連絡船は列車内に留まる事ができるんですか?
    列車内で就寝も可能って事ですよね?
    例え4時間でも、日本では車輌甲板には立入禁止ですよね。
    ところ変わればって事ですね。
    船内は綺麗ですね。青函連絡船とはかなり趣が違うような気がします。
    「北へ向かう人の並みは誰も無口で~♪」のような暗いイメージは全くないですね。
    またバルト海は氷結するんですか!
    そんな季節の航海も体験してみたい!

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    1. こちらへのコメント有り難うございます。 この連絡船には暗いイメージはないみたいですね。ただ東ドイツ時代はどうだったかな。北欧と東ドイツは結構仲が良かったみたいですが、一般の人、特に東ドイツ市民には越えるに越えられない国境だったのかも。 夜行列車の同行の人たちはだれも船のデッキには上がって来なかったようです。最初から最後まで寝っぱなし。そうすると8時間の睡眠が取れることになります。 ヨーロッパでも船によっては航行中は車両デッキには立ち入り禁止のものもあるかも。この次に乗った船では、ノイズでよく聞き取れませんでしたが、確かgesperrt(閉鎖される)がどうとかとアナウンスしていたので、車内にいてはいけなかったんでしょう。 バルト海のどの辺りまで氷結するのか分かりませんが、バルト海のフェリーにはIce classを持った船も多いようです。フィンランドの方は確実に氷結しますが、この辺りはどうなんでしょう。関心があります。冬に乗ってみたい。でも外は寒いでしょうね。 次回は船の外観が分かる写真も載せます。

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