ご挨拶

乗り物好きを自任していましたが、このところ徒歩での旅行がマイブームです。

2011年10月30日日曜日

ミュージアムU(1) - U Sophie-Charlotte-Platz(ゾフィー・シャルロッテ広場駅)

この駅のホームには、地下鉄が建設されたときに描かれたと思われる完成予想図が展示されています。ということは、100年以上も前の作品? 本物でしょうか、レプリカでしょうか。見たところオリジナルのような感じですが。
駅自体も出入口がちょっと増えたくらいで、構造的には竣工時とあまり変わっていないようです。そして壁や柱と言った素材も当時のまま。東京の地下鉄は、古い路線もどんどん改修されて、きれいな新素材をつかってまるで舞台のセットのようですが、ベルリンの地下鉄は、改修する場合も昔と同じような素材が使われるようですね。質感に圧倒されます。

さて作品を見ていきましょう。

作品1:Nollendorfplatz
現在はこの駅にはドームがなく、骨組みだけが再建されました。いつか現在の姿も紹介します。


作品2:Gleisdreieck
おそらくGleisdreieck駅でしょう。ここの部分は地下鉄が地上に出て高架鉄道になっています。Gleisdreieckは「線路三角」という意味ですが、昔はインターチェンジのように立体交差とランプが組み合わさって三角形になっていたようです。



作品3:Hallesches Tor??
この駅は、??です。Hallesches Torだと思いますが、断定できません。
昔は地下鉄でも腕木信号機が使われていたようですね。



作品4:??
これもどの駅と確定できませんが、入口の感じでどこかわかるかもしれません。今度探しに行って来ます。



作品5: ??
どこでしょうか。入口が特徴的です。下を路面電車が走っていますので、Eberswalder Straßeでしょうか。



作品6:??
どこでしょうか? 見たことあるような・・。


作品7:車内
ベンチは木製のようですから三等車でしょうか。乗降口と座席の間には仕切板があって車内は落ち着きがあります。



作品8:Warschauer Straße?
当時はWarschauer Brückeと言ったそうですが。



作品9:路線図
タイトルにはHoch- und Untergrundbahnと書かれています。つまり高架及び地下鉄道ということですね。ここに描かれている路線がベルリン最古の路線です。



館内1:
柱には装飾が施されています。

館内2:
その柱の柱頭部分です。古典建築の影響でしょうか。まさに鉄の殿堂。


作品9の一部:料金表
赤字は早朝料金でしょうか。時差通勤にご協力を、という感じかな。
等級は三等と二等があります。一等車と言うのは、かなり特別なのか、当時は地下鉄には設定されていなかったようですね。



作品10:Wittenbergplatz
この特徴的な建物はこの駅をおいて他にありません。高級デパートKaDeWeの最寄り駅です。



作品11:入口
どこの駅でしょうか? Theodor Heus Platzにこんな入口があったような?

作品12:入口
Zoologischer Gartenと書いてありますが、こんな入口あったかな?
この装飾は、アールデコの影響でしょうか。



作品13:列車入線
これはこのSophie-Charlotte-Platz駅だと思われますが、柱の感じはちょっと違いますね。
その次の写真は、この駅の現在のようです。比べてみて下さい。




作品14:改札口
今のベルリンの地下鉄には改札はなく、ときどき車内検札が回ってきて、切符を持っていない人は懲罰的料金を徴収されるようになっていますが、当時は改札もあったのでしょうか。



作品15:Wittenbergplatz?
天井や柱が凝った造りですね。


作品16:Stadion
これは今のOlympia-Stadionのようですね。当時はオリンピック以前ですから、Olympiaとはいわなかったのですね。



 一部割愛しましたが、作品群を紹介しました。現在の姿とこれらの作品を並べると面白いかもしれませんね。いつか、そういう視点からも紹介します。

新コーナー:ミュージアムU

ドイツ語で地下鉄のことをU-Bahnと言います。

ベルリンの地下鉄の駅の中には、構内に絵や写真などが飾られていて、美術館や博物館のようになっているところがあります。そんな展示を紹介するのがこのコーナー。

駅も古くて、昔のままの姿を留めているところもありますので、駅自体が博物館的な価値を持つところもあります。そんな場合は、展示品だけでなく、箱自体も紹介していきます。

2011年10月19日水曜日

ベルリンからアメリカ西海岸ロサンゼルスへ

Air Berlinのプレスリリース(2011年10月18日)によると来年の5月からベルリンからロサンゼルスへの直行便が開設されるとのこと。これまでもニューヨークをはじめアメリカ東海岸へは直行航路が開設されていましたが(ルフトハンザのワシントン線は長続きしなかった)、西海岸へは初めて。来年5月と言えば新空港開港(新装オープン)まであと一月、ベルリンもヨーロッパのローカルハブではなく、インターコンチネンタルなグローバルハブへのステップを一歩登ったという感じになるのでしょうか。
使用される機材はまだ発表になっていませんが同社のA330あたりになるのでしょうね。北米への航路は充実してきましたので、次は東アジア航路の充実に期待したいところです。

2011年10月16日日曜日

ベルリンからではないが、デュッセルドルフから東京へ直行便

10月14日付のルフトハンザのプレスリリースによると来年夏のスケジュールでデュッセルドルフ-東京(成田)が開設されるとのことです。機材はA 340-300。
ルフトハンザと言えば、A380やBoeing 747-8といった大型機の確保を続けていますので、ハブ-スポークの路線システムを継続しているようですが、一方でこれまで国際的なハブではなかった空港からの直行便を開設する動きもあるようですね。デュッセルドルフは日本をはじめ外国企業が多い街ですから、地方空港と言ってもサブハブ的な立地ですが。
となるとベルリンからの直航便開設の期待も高まるかな? 日本からベルリンに進出している企業は多くはないのでちょっと無理か。それでもベルリンをサブハブとするような後背地の発展に期待します。

2011年10月14日金曜日

Boeing 787でベルリンへ/からの新ルートに期待

全日空へのボーイング787納入で、来年から羽田 - フランクフルト線が開設されるとの報道がありました。ベルリンと日本の直行便再開を期待していた私にはがっかりだったのですが、ボーイング787で新ルート開設の機運が高まったのは事実。

この、運航コストの低さを長所とする中型機によって、これまでになかったようなルートが開設されるかもしれません。私が期待するのは、直行便でなくとも、ドイツ以東の中部ヨーロッパからのルート。これまでベルリン以東の空港を経由して日本へとなると、経由地まで飛ぶことによって明らかに日本に近づくのはヘルシンキかモスクワくらいしかありませんでした。あとは、ほとんど近づかないが遠回りにはならない空港としてはコペンハーゲンとウィーンくらい? イスタンブールもオリエントの入口ですが、こちらは南に迂回することになりますので、日本へはかえって遠くなるかも。

これから日本への直行便を開設しそうな中部ヨーロッパの航空会社というとLOTポーランド航空が最有力候補でしょうか。なんといってもボーイング787を来年春には受領し、日本への乗り入れも許可が出ているそうですから。

ベルリンからワルシャワに飛んで、そこから東京へなんて路線ができれば、ベルリン - 東京はちょっと便利になりますね。心配なのは、ワルシャワの乗り継ぎで時間がかかるんじゃないか、ということ。西ヨーロッパのハブ空港だと巨大な空港でも1時間くらいで乗り継げることもありますが、これは多分に手荷物の荷役が自動化されていることによるのでしょう。ワルシャワの空港にそういうシステムが導入されていないとなると、折角ショートカットのルートができても、乗り換えで時間を取られてしまって、全体ではかえって時間がかかってしまったなんてこともあるかもしれません。

それともう一つ気になるのがLOTの787の座席配置。私が乗るであろうエコノミークラスは、全日空は2-4-2の横8列なのに、ポーランド航空はどうも3-3-3の横9列らしい。ちょっときついかもしれません。

いずれにしても来年春のお楽しみです。

2011年10月9日日曜日

スペルト小麦を使った白パン

スペルト小麦のことをドイツ語でDinkelと言いますが、近所のBioスーパーにスペルト小麦の強力粉630番がありましたので、それを使って白パンを焼いてみました。

これまで使ってきたスペルト小麦は全粒粉です。これもいい味なのですが、これでは白パンは焼けません。普通のスーパーで売られているスペルト小麦は皆全粒粉でした。

スペルトの630番は、性質が通常小麦の550番によく似ていて、前に550番で白パンを焼いたときのレシピがそのまま使えました。

焼き上がり具合はこんな感じです。


我ながら大成功。切ったときに上る湯気香りをお届けできないのが残念。

2011年10月2日日曜日

ベルリン大環状線を行く -(1)南リング

久しぶりに乗り物ネタです。

「統一の日」を明日に控えた10月2日(日)、ベルリンを囲む大環状線に乗ってきました。ベルリンには市の中心部にSバーンの環状線がありますが、今日紹介する大環状線はベルリンの郊外をぐるっと囲む路線で貨物列車の迂回路です。東京でいえば武蔵野線のような存在。

今日はその大環状線の南の部分、ドイツ語で言うところのSüdringに乗ってきました。



まず向かったのは、ユネスコ世界遺産で有名なポツダム。ベルリンからだと今はS7という通勤電車で行けます。10分間隔で運航しているのでとても便利です。1990年に私が初めてベルリンに来たときは、まだこの路線はポツダムに通じておらず、Wannseeという途中までしか行っていませんでした。そこからポツダムは直ぐなのですが、当時は壁が崩壊したばかりで交通機関が整っていないようでした。当時の『地中の歩き方』には、ベルリンからポツダムに鉄道で行くには、市の南東に位置するシェーネフェルト空港まで行って、今日これから紹介する環状線でポツダムに行けと説明されていました。そうなると非常に遠回りになります。



ポツダム中央駅は、以前はPotsdam Stadtと言って、中央駅は別のところにあったようです。中央駅と言ってもただの乗り換えのための駅だったようでかなり郊外に位置していました。今の中央駅は市街地に近く、名実共に中央駅です。大改装の末にきれいな駅になりましたが、ドイツ鉄道の新幹線ICEのルートからは外れてしまいました。


上の写真はそのポツダム中央駅の正面玄関。左の塔は給水塔を改造したものでしょうか。

この駅から南リングの列車が出発します。


ホームに入っている赤い列車は、RB22の列車です。RBとはReginal-Bahn(レギョナルバーン)の略で、ローカル列車(鈍行)です。路線は電化されているのですが、この列車は気動車です。


車内はこんな感じ。固定式のクロスシートが並んでいます。車両は低床ですが、車両両端は一段高くなっています。ここのジッツ(座席)を占めることにしました。車内で退屈だったときのために山崎豊子『白い巨塔』を持って来ました。こちらはジッツ(ポスト)を巡る熾烈な争いが描かれています。


車窓から観たポツダムです。こんなふうに列車は湖沼地帯を通って東へと進みます。

普段はこの列車がシェーネフェルト空港まで直行するのですが、今日は工事のため途中からは代行バスです。乗り換えはエレベーターもスロープもない田舎駅で、空港へ向かうトランクを抱えた乗客には気の毒でした。私も一つはお手伝いしましたが、ドイツ人はかなり力持ちで、ご老人でも荷物を抱えて階段を登っていました。


バスに乗り換え、ポツダムから1時間あまりでシェーネフェルト空港駅に到着ですが、途中で建設中のBBIベルリン・ブランデンブルク国際空港のターミナルが見えました。


この空港は、シェーネフェルト空港を大拡張して出来上がる首都空港なのですが、今のところ日本への直行便開設の話は出ていません。この空港ができるとベルリンの空の玄関はこちらに集約されますが、ドイツの航空地図は直ぐには塗り替えられず、これまでと同様にフランクフルトミュンヘンがハブのままでしょう。ベルリンの空港もいずれはベルリンに留まらず、ドイツの空の表玄関になっていくことと期待していますが、いつのことになるか・・。開港、というよりも新装オープンは来年の6月です。

下の写真は、現シェーネフェルト空港駅。何とも東ドイツっぽいたたずまいです。将来は、空港駅は、空港の地下に移り、ターミナルに直結するようになりますので、こちらの駅舎は放っておかれているようです。



そして現在の空港ターミナルがこちら。


東西ドイツ統一後、ターミナルは増築されましたが、メインターミナルはほとんど当時のまま。完全に地方空港の規模で、金色の遮光ガラスが東ドイツの雰囲気を伝えています。市の中心部にあった東ドイツの議事堂もこんな感じでしたね。


ターミナル内はこんな感じです。かなり手狭。



送迎デッキに出てみると見慣れない塗装の小型機が・・。ベラルーシ航空のようですね。機種は何でしょうか。ヤコブレフでしょうか。いやチャレンジャーかな。
その他、ヨーロッパではおなじみのeasyJetなど、ローコストエアーが乗り入れています。


空港ターミナル内をうろついて、ビールでのどを潤し、空港駅から帰途につきました。ここからベルリン中央駅までは現在45分くらいですが、BBIができると連絡列車がショートカットで空港と中央駅を結ぶことになるようです。開港と同時に運行が開始できるかは微妙だと聞いていますが。

今日は天気もよく、楽しい散策になりました。