中央駅を予定の列車が出発するのは17時半頃なので、あまりゆっくりと見ていられないが、小さな街でもあるし2時間あれば散歩には十分だろう。フェアの会場には臨時の観光インフォメーションカウンターが設けられており、市内の地図と簡単なガイドをもらう。残ながら日本語のガイドはない(ただしヴィースバーデンのサイトには日本語による観光案内もある)。中国語ならあるそうだ。パリでもそうだったが、最近は団体旅行のお客というと日本人よりは中国人の方が多いのではないかという感じがする。日本人がしだいに団体ツアーに飽きてきていて個人で旅行する傾向が強まっているのに対して、中国人が団体旅行で世界のツーリズムシーンにデビューしつつあるという傾向はあるものの、数の上での勢いがある。日本語を差し置いて中国語と言うのも無理からぬことかもしれない。
インフォメーションカウンターでは日本語もお願いしますよと、日本語翻訳業界のためにもアピール。
しかし、私の得意先の一つは、ブースに中国人スタッフと北京支社から呼び寄せたドイツ人のスタッフ、アトラクションとして中国書道のマイスターを配置しての中国市場向けの布陣。ここでは日本語は影が薄い。
会場を出て、まず旧市街に向かった。ここに限らず、ドイツの街はマルクトプラッツ(市場広場)が旧市街の中心になっている。ヴィースバーデンの旧市街の中心には、マルクトキルヒェ(市場教会)や市庁舎、州議会の議事堂などが並んでいる。
マルクトキルヒェは、ネオゴシックの立派なもの。州議会(市内宮殿)は、議事堂というよりはホテルような雰囲気。
マルクトキルヒェ |
マルクトキルヒェのファサード |
州議会議事堂(横から) |
ヴィースバーデン市庁舎 |
旧市街の通り |
ヘッセン州州議会議事堂 |
ヴィースバーデンの北と東は丘になっている |
観光スポットとしては、この他にロシア人教会(正教会)、カジノ、テルメバート(温泉浴場)などがあるが、フェアで会場を歩き回ったせいか、疲れが大分足に来たので諦めて中央駅へと足を向けた。
ロシア人教会は、Nerobergという高台にあるが、そこに登るのにはNerobergbahn(ネロベルクバーン)という保存ケーブルカーがあり、乗ってみたがった。このケーブルカーは、インフォメーションでもらったガイドによれば、1888年に敷設されたもので、Wasserballastで運用されているとのこと。400 mで83 mを登るそうだ。Wasserballastとは「水バラスト」と言う意味。ケーブルカーは、上り下り二両の車両のバランスで運行を容易にしている。ただし下りの車両を常に重くすることができれば、電気や蒸気などの補助動力がなくても動く。それを実現するために車両(ゴンドラ)に水タンクを備え、山頂側の駅に着いたゴンドラのタンクに水を入れ、谷底側の駅に着いたゴンドラのタンクを空にすれば、あとはケーブルを止めていた力を緩めれば車両が動き出す。水の位置エネルギーをそのまま動力に使う原始的な仕組み。
また鉄道趣味人には、Nassauische Touristik-Bahn(ナッサウ観光鉄道)という保存鉄道があるようだ。ガイドによれば50年代の蒸気機関車と20世紀初頭の客車があるとのこと。
仕事のための旅行なので仕方がないが、日帰り旅行にしたのが残念。一泊くらいして温泉プールにも入るべきだったと後悔。いつものことながら先に立たず。(つづく)
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