ホテルは駅の近く。直ぐにチェックインして一休み。インターネットへの接続を確認して、明日のスケジュールをチェックしてから食事に出かけた。行った先は、ホテルのフロントで推薦されたAugustiner Bräuというビール醸造が経営するレストラン。このビール、これまで見かけたことはあったが試したことがなかった。これがとても美味。食事は、ミュンヘン風カツレツ。よくヴィーナーシュニッツェルというが、それと同じものと考えていいだろう。これもまた良し。明日は仕事だというのにヘーフェヴァイツェンに続き、ラガーも試してしまったが、幸い悪酔いはしなかった。店内は、バイエルン風の盛装した旦那衆もいて雰囲気があった。撮影しなかったのが残念。
翌日、午後の仕事を終えて中央駅に向かう。16時過ぎのICEに乗り、ニュルンベルクで乗り換えてベルリンへ22時過ぎに到着するプラン。
駅について切符に書かれたホームへと歩き出すと何やらアナウンスが聞こえる。どうも今日はErsatzzug(代替列車)だそうだ。ということはICE用の編成ではないということか。私には興味がわくが、一般の乗客には迷惑なのではないだろうか。出発するホームに着いてみると果たしてIC用の制御車が顔を出している。私には文句はない。
代替列車に使われたIC用一等車(開放室) |
しかも制御車こそ、自転車スペースのある二等車だが、それ以降はすべて開放室の一等車。二等車の切符で一等車に乗っていいということだと判断しゆったりとした2人掛けのシートに陣取るが、出発間際になると大勢が乗り込んできて少し座席が足りなくなる。これでは予約しておいても遅れて乗車すれば席にあぶれてしまったことだろう。しかしインゴールシュタットで何人か降り、私の乗った車両には立っている乗客はいなくなった。
列車は、インゴールシュタットを出ると、5分ほど遅れてニュルンベルク到着。隣のホームには本来のICE編成が入線していた。本当はそこに私の乗るベルリン行きICEが止まっているはずなのだが、そのホームは変更されている。
ベルリン・ゲズントブルンネン行きICEは、もう出発時間を過ぎていたのだが、連絡を待っての発車となり出発で遅れを出した。私は自分の席を探して座る。今回は、まだ座席ピッチをつめていない編成で往路で乗ったよりも少しスペースに余裕がある。今回もほぼ満席だが少しはゆっくりと休めるぞと安堵したのだが、出発後それは間違いだったとわかった。
ニュルンベルを出発しバンベルクを通過した頃、仕事の疲れが出て少しうとうとしたのだが、その頃から周りで携帯電話が鳴り始める。そしてその話し声。収まったと思ったら、またどこかでベルが鳴り、そして通話。やれやれと思うと子供がぐずり始める。やっと収まったと思うと、連鎖反応で他でも負けじとばかりに泣き声が上がる。
うとうとし始めると起こされるという繰り返し。我慢も限界だが、ここは静寂エリアではないので、携帯電話を使われても、子供に泣かれても文句は言えない。しかたなく食堂車に避難。今回の編成は、食堂車の車両に家族向けのコンパートメントが設置されており、ビストロスペースが狭く立ち席のみ。私はレストランのテーブル席に落ち着き夕食をとることにした。
喧噪からの避難所となったICEの食堂車 |
Maultasche |
注文したのはMaultascheというドイツ風ラビオリといったようなもの。不味くはないが、もう少しボリュームがあると思っていたので満腹感が得られない。予約で静寂車両を選ばなかったのも失敗なら、この注文も失敗。
食事を終えて席へ戻るとまた喧噪地獄。前に座っている若い男性が粗野なしゃべり方で盛んに話す。終わったと思うとまた電話が鳴り、終えたと思うとまた自分からかける。私はタバコが苦手なので、日本では禁煙車と決めているが、その席がなく諦めて喫煙車に席を取ったら隣にチェーンスモーカーの乗客が座ってしまったような居心地の悪さ、と例えたら雰囲気がわかってもらえるだろうか。
ドイツでは、日本と違って車内で携帯電話を使ってもマナー違反とは言われない。ドイツの人口密度、車内での乗客の密集度がそうさせている、否「いた」のだろう。しかし列車も、日本の新幹線並に乗車率が高まり、しかも飛行機並に席が狭くなると、マナー云々とも言いたくなる。他の乗客はどうだったのだろうか。
ライプツィヒに着くまでこの喧噪は続き、私はもう一度食堂車に避難し、デザートでもとケーキを注文したが、もう品切れとのこと。仕方なくコーヒーだけで我慢したのだが、今回の往復は本当につきがない。ミュンヘン-ニュルンベルク間でICの一等車を楽しめたのが唯一の救いか。
もうICEには二等車は存在せず、あるのは二等車と言う名の三等車なのだと肝に銘じることにしよう。次回ICEを使うときには、必ず静寂エリアの席を予約するか、早めに予約して一等車を二等車並の割引価格で確保しよう。それしか快適に旅をする途はない。(完)
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