ご挨拶

乗り物好きを自任していましたが、このところ徒歩での旅行がマイブームです。

2012年11月12日月曜日

阿房列車「統一号」(2)- D-Zug、EN、CNL?

 旅はベルリン東駅から。ここはベルリンが東西に分かれていたとき「ベルリン中央駅」を名乗っていたところ。そういうわけでそれなりに大きく、西ベルリンで中央駅の機能を担っていたZoo駅がその機能をなくしてローカル列車の駅になっても長距離列車駅としてのステータスを保っている。

 しかし今回私がドレスデンまで乗るD列車(D-Zug)が、この駅始発というのは解せなかった。なぜ中央駅始発ではないのか。
 D-Zugというのは、長距離列車の中でインターシティー(IC)やユーロシティー(EC)、夜行のユーロナイト(EN)の格を与えられなかった急行列車。ドイツ国内では臨時であるとか、車両が古く格付けに必要な設備を有していないといった理由でDに留まるものがある。確かにインターネットの時刻表で調べてみると、ベルリンからプラハまで走っているが二等車だけの国際列車。それでECになれないのか。そんな疑問を抱いていたのだが、今回の阿房列車決行の日、東駅に来てみてその謎が一部解けた。

 朝4時前に家を出て東駅に着くと、私の乗る列車は既にホームに止まっていた。緑と白に塗り分けられたチェコの車両。チェコの車両というとハンブルクを発ちベルリンを経由してプラハへと向かうEC列車を思い浮かべるが、その編成に使われている車両に比べると、うらぶれた感じのする車両。国際急行列車というよりはチェコの国内急行といった感じ。また通路に補助席がないところなどは、昼間の列車よりは夜行列車のそれを思わせる。そういうところは簡易寝台車にも似ている。

チェコの機関車の後ろに二両の客車。プラハ行きPhoenix号
その前には?

その前にはワルシャワまでJan Kiepura号を牽引するポーランドの機関車と客車(Bar/二等合造)


ポーランド行きの客車。これも夜行列車に併結。

Phoenix号。テールランプは点いていないが最後尾の客車には旅情が漂う。


 車内を観察し出発を待つ。私は長距離の列車に乗るときには席を予約することにしてるので今回も私の指定席があるのだが、その席には先客がいた。といっても車内はがらがらで予約の札も入っていないので、他の部屋を占拠することにした。



モケットはきれいなのだが全体的に古い感じ。


トイレの他に洗面所もある。夜行列車仕様?


トイレは清潔なのだが、DBに比べるとちょっと臭う。


 発車予定は4時57分だが、それを過ぎても発車しないのは、併結列車が遅れているせい。この列車は、サボを見るとEN 457 Phoenixとある。切符にはD 60457とあるが、これはEN 457でもあるのかとわかった。ENとはユーロナイト、つまりヨーロッパの国際夜行急行。併結相手はCNL 457でアムステルダムとコペンハーゲンから来る編成。これもCNLといっているがENの扱いなのかもしれない。今日は20分の遅れが出ている。

 その到着を待っていると隣にワルシャワ行きのEN 447 JAN KIEPURA号が入ってきた。ワルシャワ行きのはずだが、ロシアやウクライナの寝台車も連結されている。これらの車両は途中の区間だけのお客を扱わないので、列車の行き先にモスクワと表示されていないのだろう。この列車は前夜バーゼルを出発したもの。途中までCNLと一緒に走っていたはず。ロシアの寝台車は最近調達したものなのかとても立派。Innotransにも出展されていたが、内装も豪華なようだ。ロシアのビジネスマンや富裕層は、飛行機を使うよりもこういった豪華列車を好むのだろうか。それとも外国の空港でチェックを受けるとまずいもの、飛行機には乗せられないようなものをお客が持ち運んでいるのだろうか。中間での区間利用を許さないのは営業権の問題でもあるのだろうが、何となく秘密主義が雰囲気を感じるのは私だけだろうか。

ロシア鉄道の寝台車、実に立派。編成の中ではDBの簡易寝台車が一番みすぼらしかった。


青と白の車両はポーランドの寝台車。こちらも立派。


 ともあれ深夜/早朝の時間帯は、普段目にしないような変わった列車、車両にお目にかかれる。まるで深海探検!

 20分遅れのCNL列車KOPERNIKUS/Phoenixは、時刻表にはそのように列車名が載っているが、Phoenixというのはこのベルリンからの編成なのかもしれない。CNL列車は東駅の手前に待避線でもあるのか、機関車に牽引されるのではなく押されて東駅のホームに入ってきた。先頭の青い車両は寝台車だろう。


CNL 457と併結


 軽い衝撃とともに二つの編成が一つになった。しばらくして発車。ノンストップでドレスデンへと向かう。現在、開港が遅れているベルリンの新空港ベルリン・ブランデンブルク国際空港は、来年2013年に新しい開港スケジュールが決まったが、これもどうなるか。2014年にずれ込むかもしれないが、開港の暁にはこの列車も空港駅に停車するのかもしれない。

 検札が済んだので部屋の照明を落とし、三時起きの睡眠不足を補うことにした。しばし爆睡。座席車だが、大鼾をかく同行者もいないので二時間だけだが実によく眠れた。

 ドレスデン近くで目が覚める。今渡った川はエルベ川?などと思っていると、列車は定刻よりも20分遅れでドレスデン中央駅のホームに滑り込んだ。遅れはほとんど取り戻せなかったようだ。チェコのすばらしく無骨な電気機関車に曳かれた列車は、この後ザクセンのスイスを通って国境を越えプラハに至る。(つづく

チェコの電気機関車。角張ってます。

チェコの寝台車。台車には空気枕を採用。

隣のホームにはヴィースバーデン行きICE。好対照の二編成。

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