帝国都市だったニュルンベルクには、今でも城壁のほとんどが残っており、中央駅を出ると直ぐに市門が迎えてくれる。土曜日ということもあり街の通りには買い物客が行き来していて活気がある。しかしこれだけの大都市で中世の佇まいを良く残している街はドイツでも少ないだろう。
この地方で産出されるのか、街の建物は褐色の石材でできていて落ち着きがある。この賑わいと落ち着きがほど良く混ぜっているのがこの街の特徴かもしれない。旧市街の中心部まで出て帰るつもりだったが街を縦断しカイザーブルク(城)まで来てしまった。観光の時間を確保しておかなかったのは悔やまれるがいい街を見つけたということで満足することにした。暖かくなったらゆっくりと訪れたいが、それはそのときになってみないとわからない。片道くらいは阿房列車を仕立てるかもしれない。
Museumsbrückeにて |
Hauptmarkt |
Kaiserburg |
街の雰囲気に見せられて散歩を存分に楽しんでしまったので、休憩の時間も昼食の時間もなくなってしまった。中央駅へ戻る途中にニュルンベルガーソーセージのスタンドを見つけたので、小さなニュルンベルガーソーセージ三本をブレートヒェンに挟んで空腹を慰めることにした。
もともとこの種のソーセージは好きなのだが、本場で食べる味はまた格別。ゆっくりとビールと一緒に楽しみたいところだが、それも次回のお楽しみとしてとっておこう。
ニュルンベルガーソーセージ |
中央駅の駅舎 |
中央駅に戻りホームへ出ると間もなくベルリンまでの列車が入線。IC 1604。普段はこのダイヤでICEが走っているようだが、この日は臨時でICに置き換わっている。阿房なのでIC大歓迎。
ICEではなくICが入線。 |
車内は、週末ということもありそこそこ混んでいたのだが、私の予約したコンパートメントはニュルンベルクでは私の他だれもおらず、しばらく独占状態。途中バンベルクからイェナまで男性と一緒だったが、その後もライプツィヒまではまた独り占め。ライプツィヒからは、学生5人が乗り込んでベルリンまでやや窮屈だったが、全体としてはかなり贅沢に空間を使わせてもらった。
ニュルンベルクからベルリンまで使ったコンパートメント。 |
その間、空腹を感じてきたこともあり、食堂車に行くことにした。食堂車と言っても一両の半分だけ。ICの食堂車はほとんどこのタイプの軽食堂車(ビストロカー、ビュッフェ)になってしまった。
この車両のビストロコーナー以外のスペースは大きなテーブルを備えた一等車。注文すれば、食事をここまで持ってきてくれるようだが、利用している人は誰もいなかった。
ビストロカーの一等席 |
同じく一等席 |
私がここで注文したのは、セットメニューのビールとエンドウ豆のEintopf。Eintopfというんは、いわばごった煮。バイエルンまで来たことだしビールはヴァイツェンとしたいところだったがセットメニューにはヴァイツェンでなくこちらしか選択肢がなかった。ラガーのBecksも嫌いではないので良しとしよう。
軽食堂車の様子。電源がとれるせいかパソコンを使っている人が目立った。 |
午後9時前に自宅に戻り、シャワーを浴び、陸酔いを楽しみながら就寝。阿房列車の楽しい一日が終わる。(完)
(2012年11月27日修正)
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