ご挨拶

乗り物好きを自任していましたが、このところ徒歩での旅行がマイブームです。

2012年12月12日水曜日

ICxはLCR?

 今年、ドイツ鉄道は老朽化が進むIC、EC用客車の代替となる次期IC用車両を発表した。それがICx。xとはNextなのか、あるいは未定という意味なのか知らないが、新世代IC車両は現在そのように呼ばれている。

 古い車両に代わるフレッシュで快適な車両と言えば聞こえはいいが、実質的にはどうも逆で、省エネ、低排出を実現することは技術的には確かなようだが、その恩恵が直接に届くのはドイツ鉄道にであって利用者ではない。利用者には、一等で930mm、二等で856mmのピッチという「驚異的」合理的な空間提供が実現する(数値はWikiより)。
 一等で930mm!?、この数値は確か日本の新幹線の普通車よりも狭いのではないか。もちろん横幅を考慮しない場合だが。二等の数値も、飛行機のエコノミークラスが標準で79cm〜84cm程度と聞いているから、ローコストエアーよりは広いものの、通常の飛行機の座席配置と肉薄してきたことになる。

 ドイツ人が価格に敏感なのは確かで、飛行機との競合上、競争力のある運賃を提示するにはこのようにして乗客を詰め込み大量に輸送しないと、採算的にも、環境に優しい交通手段としても存在意義を主張できないというのが、背景にあるのだろう。そこには、外国人旅行者が、たまにドイツに旅行に来てゆったりとした地上の旅を楽しみたいというニーズとは異なるものがある。しかし、大柄のドイツ人が、そんな狭いスペースにぎっしり。考えただけで旅行に出たいという気分が削がれる。

 この前、ミュンヘンからベルリンをICEで移動したときに、二等車の三等車化ということを感じたのだが、ICxの規格はそれをさらに定常・固定化するものになりそうだ。一等で930mm、これはかつての二等車と変わらないのではないか。これは一等も二等もLCR(ローコストレール)になったということを意味しないか。

 しかし一方でかつての一等車への需要も残るだろうから、特別優等車両(席)の登場も大いに考えられる。オーストリア連邦鉄道(ÖBB)のRJ(レールジェット)には、一等に追加料金を払うことで利用できるビジネスクラスが設定されているし、チェコも新しいEC用にそのコンセプトに近い列車を導入する計画を持っているようだ。革命は周辺からということだろうか。
 クラスの名称も変わるかもしれない。一/二/三等とするのが一番わかりやすいだろうが、「利用者の感情を慮って」飛行機のようにファースト、ビジネス、エコノミーのようになるかもしれない。諸氏はどうお考えだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿