ご挨拶

乗り物好きを自任していましたが、このところ徒歩での旅行がマイブームです。

2012年9月15日土曜日

ドイツの鉄道おすすめ路線

この記事は、執筆中です。これまでに乗ったことのあるお勧め路線を紹介します。

ライン側左岸線(コブレンツ - マインツ)

 有名なライン川を眺めながら走る路線。以前はフランクフルトからボン、ケルン、デュッセルドルフへ向かう優等列車は皆この路線を通り、古城やライン川の風景を眺められる車窓は、この路線のアトラクションだったが、今はフランクフルトとケルンの間に高速新線が開通し、この路線を通るICEはほとんどない。それでもICはまだかなり残っているので、インビス(軽食堂車)やレストラン(本格食堂車)で車窓を眺めながら食事や飲み物を楽しむチャンスは残っている。すこし残念なのは、ときどき工場などの無粋な施設で川の眺めが遮られること。
 この路線を最後に楽しんだのは5、6年前だったろうか。ベルリンからケルン、コブレンツを経てパリに向かったときに通ったのが最後だと思う。
 高速新線ができたことで旅客幹線としては、一ランク下がったかもしれないが、ゆっくりと景色を楽しむのには却ってその方が良かったかもしれない。IC/ECの車両の窓はICE車両のそれよりも大きく、景色を眺めるならICEよりも好都合。ベルリンに住んでいるとこの路線を使う必要はあまりないが、また乗ってみたい路線の一つ。


モーゼル川沿岸線(コブレンツ - トリア)

 ここもライン川沿線と同様に川の風景が楽しめる。ライン川と違うのは、地形の変化が細かいこと。モーゼル川はライン川に比べると小さいが蛇行しながら流れているため、線路は右に左に曲がり、橋梁を渡りトンネルをくぐりとバラエティーに富んだ風景を楽しめる。ライン川に比べると沿線に工場が少なく、無粋な風景を見なくて済むところはメリット。
 優等列車はIC(急行)がトップでICE(特急)は設定されていない。ICの食堂車はインビスカー。この路線に初めて乗ったのは、1994年だったと記憶しているが、当時はRE(ローカル急行:快速)にもインビスカーを連結したものがあり面白かった。
 この川も運河化されているが、ライン川と違って各所に高低差を克服するための閘門式水門が設けられている。遊覧船を使うと船からの鉄道を眺めることもできる。宿泊できるキャビンを備えた船で、この川を通るクルーズに参加したことがあるが、葡萄畑の眺めも楽しかった。
 以下の二枚の写真は2006年に撮影したもの。ベルリンからパリに向かう途中、ルクセンブルク行きのIC車内から撮影。





エルベ川沿岸線(ドレスデン - ジェチーン(チェコ))

 これも川に沿って走る路線。ドイツは、海に面した北部の地形はほとんどがなだらか。したがって複雑な海岸を縫うように走ると言ったスリリングな光景は期待できない。水辺を走るとなるとどうしても川か湖になるが、川であると渓谷を作っているところで好ましい鉄道風景が展開する。
 エルベ川は、ドイツからチェコにかけて「ザクセンのスイス」と呼ばれる砂岩地帯で険しい渓谷を作っており、沿岸を鉄道が通っている。私がこの路線を体験したのはもうかなり前のことで1990年の夏。ドレスデンを出た列車はちょうど夕暮れ時にこの地帯を通ったのだが、夕日が白く切り立った岩肌に映えて幻想的な景色が出現した。当時はまだ東ドイツが存在し、私の乗った車両も東ドイツ国鉄(RB)のものだったようだが、なかなか照明がつかず車内は本が読めないほどの暗さだった。しかしそれが却ってこの幻想的な風景を印象深いものにしてくれた。
 あれ以来、この路線に乗ることはないが、またいつかこの路線、その時間の列車に乗ってみたい。できれば当時と同じように窓の開く車両で。



追記:上の二枚の写真は、2013年3月末から4月はじめにかけてプラハに出かけたときに食堂車より撮影。このルートを走るECは、ほとんど(すべて)窓が開かない。早朝、夜に走る夜行列車の付属編成(座席車)には窓が開くものがある。ライン川よりも川が線路に近い。(2013年4月14日)


バルト海鉄道連絡船の旅(ベルリン - マルメー)

 この路線は、景色を眺めるというよりは「体験」がポイント。世界的に絶滅危惧種になっている鉄道連絡船を体験する旅。「鉄道連絡船」といっても運営は、鉄道会社ではなくフェリーを運航する船会社。だから正確に言うと「鉄道フェリー」。
 ベルリンから真っ直ぐ北上するとリューゲン島と言う島にたどり着くが、その港町ザスニッツから対岸のスウェーデンの港町トレレボリまで鉄道フェリーが結んでいる。但し、現在旅客列車での連絡は、EN300/301という夜行列車のみ。その他の列車は、ザスニッツのフェリー港には行かないので鉄道連絡にならない。また対岸のトレレボリでも、トレレボリまで伸びている路線は貨物線であり、この夜行列車を除いて、旅客輸送は廃止されている。
 港に着いた列車は、乗客ごと船の中へ。船内には「駅」があり、対岸に着くまでそこに停車している。乗客は、そこからフェリーのデッキにも行けるので、その施設を使うこともできる。但し夜なのでメインレストランやバーは閉まっており、食事はカフェテリアのみ。あとは免税品店が開いている。ほとんどの乗客は、列車の寝台で寝たままで列車から外に出る人は希。
 この旅は、2012年6月の「海を渡る阿房列車(全11回)」で実行しているので、詳しくはそちらを参照。

 参考:海を渡る阿房列車

鉄道車両航送フェリーへと入る列車の最後尾から撮影
(「海を渡る阿房列車」より)



ザクセン・フランケン幹線鉄道(Sachsen-Franken-Magistrale)(特にドレスデン - ホーフ)

 気分は峠のライダーか!?
 鉄道の楽しみというとおとなしく景色を眺めるという落ち着いた大人の趣味を思い浮かべるが、もっとスポーティーな、ジェットコースターなどの絶叫マシーン系の楽しみ方を求める人にこの路線はお勧め。
 この路線は、東西ドイツ統一を経済面で成功させるための産業基盤整備事業の中でそれまでの設計速度、最高70 km/hを最高160 km/hにまで高めた。ただし最高時速160 kmというのは、振子列車を使用した場合。
 振子車両/列車というのは、カーブにさしかかるとボディーを傾け、車軸を線路の曲線にフィットさせ速度を落とさずにその箇所を克服するもの。ちょうどバイクがボディーを傾けてカーブを曲がる、あるいはスキーでの回転と似たところがある。
 ICEにもそういう車両があるが、昔から幹線だった在来線に投入されいることが多く、高速新線に比べればカーブが多いとは言え、鉄道の知識があって、その車両が振子車両だと知っている人でもなければ、振子運転しているとは気がつかないだろう。
 この路線に投入されているのはICE車両ではなく(かつて投入されていたが技術上の不安があり中止)、Regio Schwingerというローカル列車用の車両。しかしローカル列車用だからといって侮るなかれ! これが、この路線ではかなり熱い走りをしてくれる。
 統一後の整備事業で高規格化したことは既に述べたが、高規格化といってもルートを変更したわけではないので、かなりの急カーブが残っており、そこを右に左にとバンクをつけて通過するのは、かなりスリリングなスラローム体験。振り子テクノロジー(Neigetechnik)を遺憾なく発揮している感じがする。したがって乗り物酔いするタイプの方にはお勧めできない。
 景色の方は深山幽谷というほどでもはないが、山岳路線の風景はなかなか。飯田線の飯田 - 岡谷に似ている。

ドレスデン中央駅で出発を待つRegio Schwinger(612系振子式気動車


(2012年11月11日更新)





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