ご挨拶

乗り物好きを自任していましたが、このところ徒歩での旅行がマイブームです。

2011年12月21日水曜日

タクシー!

タクシーの話題。

ベルリンは、電車、地下鉄、路面電車、バスと公共交通機関がよく発達しており、自動車を持たない私もほとんどの場合、定期券さえあればどこに行くのにも用が足りる。深夜も夜間運行する地下鉄や路面電車はあるし、そうでない主要路線には深夜バスが代行するので夜中でもタクシーに乗ることは滅多にない。

とは言え、全くタクシーを使わないわけではない。例えば空港への往復。重い荷物を両手に抱えるような一時帰国のときはどうしてもタクシーのお世話になる。

そのタクシーだが、空港から自宅に帰るのに使おうと思うと、飛行機がテーゲル空港に着陸する前から憂鬱になる。理由は我が家が空港から近過ぎるから。料金が安くて結構だと思われるかもしれないが、これが実は憂鬱の原因。

タクシーに乗って自分のアパートの所在地を言ったときのタクシー運転手の嘆きと言ったら・・。近すぎることに露骨に嫌な顔をして、ため息を吐くドライバー。俺が手招きしたのはお前じゃないのに・・などとやり場のない落胆を吐露する者もいた。成田を午前中に発つとベルリン・テーゲル空港には、一日の最後の時間帯に着くことが多い。一日の最後にロングを願っていた運転手の気持ちはわからないではない。

タクシーが空港に乗り入れるのには特別の許可が必要なのだそうだが、許可を得たドライバーが多すぎるのか、空港は客待ちのタクシーで渋滞ができるほど。したがってお客を乗せるまでにドライバーが待つ時間も相当長い。長〜く待った末に短い距離では割に合わない。

しかしそれはドライバーの事情であって、お客の都合ではないから、短い距離だからと言って遠慮する必要はないのだが、長旅、時差ぼけの家路をようやくベルリンに戻ってきたときのご挨拶としてはいただけない。滅多に乗らないタクシーなんだから、笑顔で迎えて欲しいもの。笑顔でなくてもいいから、お客を不快にするような態度だけはとって欲しくない。

嫌な思いを避ける対策はいくつか考えられる。例えば、行き先を予め言ってそれでも良いかと了解をとる。これは以前やってみたが、うまくいかない。近過ぎる目的地を聞いたとたん、乗車拒否。それなら後ろの車に・・と試みようとすると、それもまかりならんとあっちへ行けと追い払われる始末。私が後ろに並ぶ車に乗ったとなると、前の車が乗車拒否したということが明らかになってしまうので、前の車のドライバーをこれをいやがるのだろう。

では予め、例えばトランクを積んでもらったときにチップを渡しておくというのはどうか。これなら近すぎる目的地を告げても不機嫌な顔をされなくて済みそうだが、どうもドライバーの機嫌を取っているような感じがするので、実行する気になれない。

ならばどうする?

私は、通常のタクシー乗り場でなく、空港正面玄関のバスの停留所脇に停まっているタクシーを使うことにしている。ここのタクシーは、近くの目的地を告げても嫌な顔をしない。

その理由は、その場所が正式なタクシー乗り場でないから。ここにいるタクシーは、空港へお客を運んで来たタクシーで、お客を降ろせばさっさと空港から出て行かなければならない車。本来は空港でお客を拾ってはいけないのだろう。だから行き先がどんなに近いところでもお客を拾えれば、それはそれでラッキーなのだ。ときどき律儀に、ここではお客を拾えないのだ、と言ってさっさと出て行く車もあるが、ほとんどの車は乗せてくれる。

正規のタクシー乗り場で客待ちをしているドライバーには申し訳ないが、私はいつもこの方法を使うことにしている。

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