月曜日の朝早くベルリンを発っても午後の仕事には間に合ったのだが、前泊したのは列車が遅れがないとも限らないので念のため。そして体力温存のため。
前回の商用旅行は、ICEスプリンターでの日帰りヴィースバーデン出張だった。行きも帰りも遅れが出て、行きはスプリンター割増料金プラスICE料金の払い戻し、帰りはスプリンター料金の払い戻しをうけたが、旅自体はICEの二等コンパートメントで快適だった。比較的空いていたと言うこともあるが、眠りを妨げる騒がしい人が同室にいなかったので、朝早い出発でも寝不足を解消することができた。
今回は仕事で疲弊することになりそうなので、コンパートメントに席を取り、できる限り体を休めようと思ったのだが、これが失敗だった。ICEでベルリン-ミュンヘンを移動すると最短はベルリンを出発してライプツィヒ、イェナ、ニュルンベルクを経由してミュンヘンに到着するコース。ライプツィヒから先、特にテューリンガー・シーファーゲビルゲ(山地)を越える路線は高速線ではないため振子列車のICE NTの編成になる。この編成でコンパートメントの席を予約しようとすると、運転席の後ろのラウンジ席になる。ここは運転席越しに前方を見られる展望席なのだが、私が今回期待したのは仕切られた空間で静かに移動できるということ。しかしそれもあいにくもう一杯だったようで、インターネットでの予約では希望が容れられず、機械が選択した任意の席になってしまった。急いでいたこともあってそれで良しとしまったのだが、その結果、ひどいことになってしまった。
乗車は今回もベルリン・ズュードクロイツ(南十字)駅から。中央駅よりも乗り換えが楽。 |
まずはその込み具合。ライプツィヒを過ぎると車内はほぼ満席。しかも今回のった車両は、どうも本来の座席配置を変更してピッチを縮めたもののようで、その結果窓がない窓際の席があったり、狭い間隔の座席に体の大きなドイツ人をすし詰めにしたような状態。これはかなりきつい。
そうなると影響がいろいろなところに出る。まず車内の照明。車内が薄暗く日本人には読書ができないほど。外は雪景色でなかなか風情があるのだが、光には乏しい。そして車内の照明は荷物棚の奥に光源を置いた間接照明なので、すし詰めの大人数が大きな荷物を棚に載せるともう光はほとんど届かなくなってしまう。照明の設計自体がこういう満席状態、皆が荷物を棚に置くという事態を想定したものではないのだろう。
車内はこんな感じ。手前は荷物棚に大きな荷物がぎっしり詰まり、照明が車内に届いていない。 |
こういう雰囲気はどこかで味わったことがある。そう! 飛行機のエコノミークラス。座席の間隔は、列車の方が若干広いものの、ほとんど余裕のない状態は飛行機のシートを彷彿とさせる。そしてこの満席状態。飛行機は70%以上席が埋まらないと採算がとれないところが多いらしいが、今回の乗車率は8割以上。隣の席に知らない人がずっと座っているのは、かなり窮屈。
こんなにも混雑している理由は明白。DBが格安切符を販売するようになったからだろう。早くから安い切符を探せば、例えば29ユーロなんていう格安価格でベルリンからミュンヘンまで行ける。これはLCA、ローコストエアーの価格戦略を彷彿とさせる。
それが座席間隔が狭くなった理由でもあるのだろう。これは、もうかつての二等車ではない。三等車と呼びたい。(つづく)
上の三枚の写真は、テューリンガー・シーファーゲビルゲ(山地) カーブと勾配が連続する難所だが景色は楽しめる。 現在、ここを回避する高速線が建設されている。 |
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