久しぶりに乗り物ネタです。
「統一の日」を明日に控えた10月2日(日)、ベルリンを囲む大環状線に乗ってきました。ベルリンには市の中心部にSバーンの環状線がありますが、今日紹介する大環状線はベルリンの郊外をぐるっと囲む路線で貨物列車の迂回路です。東京でいえば武蔵野線のような存在。
今日はその大環状線の南の部分、ドイツ語で言うところのSüdringに乗ってきました。
まず向かったのは、ユネスコ世界遺産で有名なポツダム。ベルリンからだと今はS7という通勤電車で行けます。10分間隔で運航しているのでとても便利です。1990年に私が初めてベルリンに来たときは、まだこの路線はポツダムに通じておらず、Wannseeという途中までしか行っていませんでした。そこからポツダムは直ぐなのですが、当時は壁が崩壊したばかりで交通機関が整っていないようでした。当時の『地中の歩き方』には、ベルリンからポツダムに鉄道で行くには、市の南東に位置するシェーネフェルト空港まで行って、今日これから紹介する環状線でポツダムに行けと説明されていました。そうなると非常に遠回りになります。
ポツダム中央駅は、以前はPotsdam Stadtと言って、中央駅は別のところにあったようです。中央駅と言ってもただの乗り換えのための駅だったようでかなり郊外に位置していました。今の中央駅は市街地に近く、名実共に中央駅です。大改装の末にきれいな駅になりましたが、ドイツ鉄道の新幹線ICEのルートからは外れてしまいました。
上の写真はそのポツダム中央駅の正面玄関。左の塔は給水塔を改造したものでしょうか。
この駅から南リングの列車が出発します。
ホームに入っている赤い列車は、RB22の列車です。RBとはReginal-Bahn(レギョナルバーン)の略で、ローカル列車(鈍行)です。路線は電化されているのですが、この列車は気動車です。
車内はこんな感じ。固定式のクロスシートが並んでいます。車両は低床ですが、車両両端は一段高くなっています。ここのジッツ(座席)を占めることにしました。車内で退屈だったときのために山崎豊子『白い巨塔』を持って来ました。こちらはジッツ(ポスト)を巡る熾烈な争いが描かれています。
車窓から観たポツダムです。こんなふうに列車は湖沼地帯を通って東へと進みます。
普段はこの列車がシェーネフェルト空港まで直行するのですが、今日は工事のため途中からは代行バスです。乗り換えはエレベーターもスロープもない田舎駅で、空港へ向かうトランクを抱えた乗客には気の毒でした。私も一つはお手伝いしましたが、ドイツ人はかなり力持ちで、ご老人でも荷物を抱えて階段を登っていました。
バスに乗り換え、ポツダムから1時間あまりでシェーネフェルト空港駅に到着ですが、途中で建設中のBBIベルリン・ブランデンブルク国際空港のターミナルが見えました。
この空港は、シェーネフェルト空港を大拡張して出来上がる首都空港なのですが、今のところ日本への直行便開設の話は出ていません。この空港ができるとベルリンの空の玄関はこちらに集約されますが、ドイツの航空地図は直ぐには塗り替えられず、これまでと同様にフランクフルトとミュンヘンがハブのままでしょう。ベルリンの空港もいずれはベルリンに留まらず、ドイツの空の表玄関になっていくことと期待していますが、いつのことになるか・・。開港、というよりも新装オープンは来年の6月です。
下の写真は、現シェーネフェルト空港駅。何とも東ドイツっぽいたたずまいです。将来は、空港駅は、空港の地下に移り、ターミナルに直結するようになりますので、こちらの駅舎は放っておかれているようです。
そして現在の空港ターミナルがこちら。
東西ドイツ統一後、ターミナルは増築されましたが、メインターミナルはほとんど当時のまま。完全に地方空港の規模で、金色の遮光ガラスが東ドイツの雰囲気を伝えています。市の中心部にあった東ドイツの議事堂もこんな感じでしたね。
ターミナル内はこんな感じです。かなり手狭。
送迎デッキに出てみると見慣れない塗装の小型機が・・。ベラルーシ航空のようですね。機種は何でしょうか。ヤコブレフでしょうか。いやチャレンジャーかな。
その他、ヨーロッパではおなじみのeasyJetなど、ローコストエアーが乗り入れています。
空港ターミナル内をうろついて、ビールでのどを潤し、空港駅から帰途につきました。ここからベルリン中央駅までは現在45分くらいですが、BBIができると連絡列車がショートカットで空港と中央駅を結ぶことになるようです。開港と同時に運行が開始できるかは微妙だと聞いていますが。
今日は天気もよく、楽しい散策になりました。
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