ご挨拶

乗り物好きを自任していましたが、このところ徒歩での旅行がマイブームです。

2012年5月14日月曜日

海を渡る阿房列車(2) - 時刻表にない列車

念願だった阿房列車は、海を渡る阿房列車。そう、連絡船を使って海を渡るもの。

日本の鉄道連絡船は、もう主要なものはなくなってしまったが、連絡船があったときにもそれで運んでいたのは貨車だけであって、旅客はいったん列車から降りて自分の足で船に乗り込み、船が対岸に着けばまた列車へと乗り換えていた。

それに対し、ヨーロッパには客車ごと船に乗って海を渡るというものがある。前から一度体験してみたかったのだが、なかなか機会に恵まれなかった。そうこうするうちに、ヨーロッパでも大規模な土木工事で海峡に橋やトンネルが造られるようになってしだいに連絡船が減って来ている。またローコストエアーの出現によって国際間の旅客交通で鉄路が廃れつつあるのも事実。うかうかしていると海を渡る阿房列車は永遠に実現しなくなってしまう。

例えば、今回の阿房列車を仕立てるドイツとスウェーデンの間の鉄道連絡船。バルト海に浮かぶドイツ最大の島リューゲン島のサスニッツを出て、対岸のトレレボリに渡るルート。これは鉄道連絡船とはいえ、鉄道旅客の連絡に使われる比重は風前の灯に近い。

その契機になったのは、まずはサスニッツ・フェリー港が市街地から離れた場所に新設され、旅客駅ではなく貨物駅に隣接するようになったこと。これによって鉄道で行って徒歩で乗り込むということができなくなった。さらに以前は昼間と夜の二便あったドイツ-スウェーデン間の列車が、夜行の一本にまで減ったことも、この傾向に追い打ちをかけている。

そしてさらに! その列車Berlin-Night-ExpressもDBのサイトでの時刻表検索ではこの5月くらいからヒットしなくなってしまった。例えばこの列車が走るベルリン中央駅とマルメー中央駅で検索してみても、ヒットするのはコペンハーゲン経由でエール海峡の橋を渡るものばかり。鉄道連絡船を使うものはヒットしない。それはもうそろそろこの列車が廃止されるという予兆ではないのか?

これは、由々しき事態。急いで切符を手配することにした。

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