昔見たアニメ「アルプスの少女ハイジ」の一場面。フランクフルトに出てきたいなかっぺぇのハイジが、クララの家で出された白パンを田舎のおばあさんにもって帰りたいと言って余分にもらうというシーン。
日本で食パンと言えば白いに決まっている時代の人間には、その白パンの有り難さなんて理解できませんでした。大人になって、ちょっとしゃれた店やパン屋で白くない普通のパンが売り出されると、そっちの方が給食で出てきたような白い食パンよりはずっと美味いし、値段もお高かったりして、ますます白パンの有り難さから遠ざってしまいました。
そして20世紀の末にベルリンに住み始めて、ドイツの黒いパンに囲まれ、白パンに郷愁を覚えたかと言うと、覚える前にドイツの色の濃いライ麦パンの味に慣れ、そっちの方が美味いと感じて、白パンの有り難みはやっぱりわかりませんでした。
白パンが希少でそれに憧れるというのは、田舎の食生活と都会のそれへの価値判断があって初めて成立する「偏見」! そして「ハイジ」と言う物語には、食生活に限らず、そんな偏見を意識にのぼせて、その偏見を克服するという要素がありますよね。白パンなんて・・。
しかし今回焼いた白パン・・・・・・・・・・・美味かった。
小麦550番を400グラムとライ麦100グラムに牛乳と水を入れて生地を作りました。一次発酵30分、型に入れて二次発酵15分、焼き時間で40分で出来上がり。焼き立てにはやはりバターがよく合う。
ハイジ! オメェの白パン食いてぇっていう気もつ、わかったずらぁ(どこの方言だ、いったい?)。ハイジは、スイスの出身なので、フランクフルトに出てきた娘はひどくなまったドイツ語を話していたはず。アニメーションでもハイジの言葉を方言で収録したら面白いと思うのですが。ちなみにドイツのテレビでスイス人がドイツ語をしゃべると、字幕がつきます。
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