それがここに来てドイツでも復活の兆しを見せている。これまでは遠距離交通としてはドイツ鉄道が優遇されており、50 kmを超える長距離バスは路線開設が限定的にしか認められていなかった。それが2013年になって自由化されたことで各地で路線開設の動きが活発になった。そして11月、ドイツポストのバス路線が出現した。郵便バスの復活!
先日、ベルリンのZOB(中央バス駅)にその姿を探しに行った。時刻は13時30分、ちょうどライン地方へと向かうバスとハンブルク行きのバスが停車中だった。
下の写真がライン地方行き。行き先はボン。バスはADACとPostの共同事業になっている。ADACは、全ドイツ自動車クラブで日本のJAFに相当する組織。真新しい黄色の塗装が曇り空を背景に映えていた。
後ろの郵便バスがハンブルク行き。ベルリン - ハンブルク間はこれまでもバス交通が盛んだったが、ポストの参入で競争が激化しそうだ。
行き先の表示板にもPostbusの文字。マグデブルク、ハノーファー、ビーレフェルト等に停車してボンへと向かう。
あと5分で発車だが、車内はがらがらだった。まだあまり情報が浸透していないのか、皆時間のかかるバスは敬遠しているのかは不明。サイトによると車内はインターネットも可能で電源もあるとのことだ。チケットは郵便局でも購入できるそうだ。ポストバスは、まだ夜行運転は行っていない。ライン地方まで乗り続けるのは辛そうだが、マグデブルク程度なら乗ってみたいもの。
長距離交通での優遇を奪われたドイツ鉄道も黙ってはいない。下の写真はベルリンのバス会社BEXと提携するDBバス。車体のカラーデザインがICEやICを彷彿とさせる。ただこれによってIC路線はますます整理されるのかもしれない。DBではICバスを走らせている。
最後の写真はベルリンの中央バス駅(ZOB)の待合室の様子。インフラがかなり古い。バスは安価な交通手段ということもあって東欧からの旅客やバックパッカーの姿が目立つ。
ちょっとうらぶれた感じは、「今度のバスで行く〜。西でもひが〜しでも♪」という歌がよく合いそうな雰囲気だ。
追記:
Postbusは、2016年11月1日をもってFlixBusに統合されました。黄色い塗装のポストバス、ノスタルジックで好きだったのですが残念です。参考ページ:https://www.flixbus.de/postbus(2018年1月18日)