18時10分、ブダペスト行きの国際夜行急行列車 EN477 Metropolがベルリン中央駅を出発する。ベルリンを出るときの編成は最近は5両程度。途中でブダペスト行きとウィーン行きに分かれるが、プラハからは増結車両があり、その中には季節によっては終点のブダペストを越えて黒海沿岸まで走る車両もある。
分割併合を繰り返しながら走るヨーロッパの列車はまだ健在!
できることなら飛び乗ってぶらっとバルカン半島への旅行へと出発したいところだが、残念ながら時間とお金がない。それでも出発風景を見て旅情をお裾分けしてもらおうとベルリン中央駅に繰り出すことにした。
今日の編成も5両。ウィーン行きの寝台車とクシェット、ブダペスト行きの二等座席車、クシェット、寝台車。
少し写真を撮ってきたので皆さんにもお裾分けしたい。
機関車はこちら。前にプラハ行きの夜行列車(ベルリン東駅を早朝に出発)に乗ったときにはチェコの電気機関車が牽引していたが、この機関車はドイツ鉄道所属。ここは中央駅の地下ホームだが、チェコの電気機関車は地下には入って来られないのか。
こちらは、クシェット車両。照明が落とされていて中がよくわからないが、撮影した車室はまだ寝台がセットされていない。あるいは今日は空室なのだろうか。寝るのには十分なスペースがあるが、座り心地は座席専用車に劣るように思われる。それでも座席や背もたれを寝台として使うタイプではなく、寝台車と同様に専用のベッドが引き出されるタイプで、CNLのクシェットよりはレベルが高い。
こちらは、ゲストを待つ寝台車。今日はシングルユースなのか、ベッドは下段一つだけがセットされている。18時では横になるには早すぎるように思われるが、出発のときからベッドがセットされているのは列車給仕の手間を省くためだろうか。一人で使うと一等扱い、二人以上で使うと二等扱いになるが、今日は一等扱いのようだ。あるいは余裕のあるときには一部屋に詰め込まず、二等扱いで予約しても一人で使えることがあるのだろうか。
最後尾のテールランプはいつも旅情たっぷり。しんがりに繋がれたのはハンガリーのクシェット車両。連結器の周りには雪が付着している。
こちらはチェコの寝台車。通路側は極端に窓が少ない。寝台車の車室は通路側には窓がない。共同だがシャワールームも備えているそうだ。
最後は編成全体を前方から。機関車の直ぐ後ろも寝台車。ドイツへ乗り入れる車両は寝台車もクシェットもチェコやハンガリーの最高レベルのものと思われる。プラハで増結する車両は少し古いタイプのものもあるようだ。ブダペストへ着く頃にはすっかり東欧レベルになっていることだろう。
今日は出発の時刻はほぼ真っ暗だが、夏時間に移行して6月ともなればまだまだ明るい時刻。その季節にでもこの列車でプラハへ向かえば、黄昏時にザクセンのスイスを通るだろう。夕日に染まった砂岩の岩肌を見て暮色を楽しみたいものだ。
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