ご挨拶

乗り物好きを自任していましたが、このところ徒歩での旅行がマイブームです。

2012年7月13日金曜日

海を渡る阿房列車(10) - コペンハーゲンへ、そしてまた出発

マルメを出発し、エール海峡に架かる橋を渡ってコペンハーゲンへ。国境を越えてスウェーデンからデンマークへと渡るがローカル列車で35分。途中、コペンハーゲン空港を経由する。

この辺りから、だんだんと写真を撮る気力が失せてきてあまり写真が残っていない。寝不足のせいだろうか。それもあるが日が陰ってきたこともあり、陰鬱な気分になってきた。また風景もトレレボリ近郊の農村風景とは違ってなんとなく殺伐としてきた。エール海峡越えの橋を渡るために作られた鉄路の周りには昔ながらの風景というものがない。したがってつまらない。

乗った列車は、JRの特急列車といった感じでこれも私にはつまらない。写真を撮る気がしなかった。デジタルカメラなのだから、撮って気に入らなければそのままにしても、消去してもいいのだが、写真を撮るとなると現像にまたお金がかかるという、昔ながらのケチな根性が働いてどうも撮影できない。

エール海峡を渡る橋には期待していた。狭い海峡だから陸地も見えて風光明媚なのではないかと思っていたが、そんなこともない。やはり瀬戸大橋のように白砂青松というわけにはいかない。寒々しい北の海という印象が強い。風景はこんな感じ。偶然、Finnlinesのフェリーが橋をくぐってマルメに向かう途中。リューベックの外港トラーフェミュンデとマルメを結ぶ航路の船だろう。


着いたコペンハーゲンは、ドイツでは見慣れない連接車の通勤電車などが走っていたが、やはり撮影せずに済ませてしまったので画像がない。

コペンハーゲンでちょっと驚いたのは人の多さ。マルメの駅、街とは全く違う賑わい。皆が観光客という訳でもないだろうに、日曜日のお昼になぜ、というほどの人出。駅構内にはセブン-イレブンもある。
コペンハーゲン中央駅のファサード

コペンハーゲン中央駅の構内

この駅からは、ICEに乗りハンブルクに向かうはずだったのだが、入ってきた列車は、デンマークのEC用気動車だった。ホームを間違えたのかと思ったがそうではない。車両が変更されただけのようだ。
デンマークのEC用気動車

どうしてもICEに乗りたいというわけではないのだが、この列車、どうも好きになれない。編成の両端は、ラバーになっていて併結のときはそれが幌の代わりになるようだが、円口類といった原生動物を思わせる野暮なデザインでがっかりする。

車内は、シートは国際列車然としてよいのだが、どうもICEの代わりにしては席が足りないらしい。デンマークとドイツを結ぶICEは、通常4両編成だが、この気動車列車は3両。週末とバカンスシーズンの人の移動のためか車内は込み合って、通路にまで人があふれている。

私は座席を予約していたのだが、4両が3両になってしまってどこが予約席なのかわからない。適当なところを確保することにした。そしてコペンハーゲン駅を定刻に発車。一路ハンブルクへ向かう。


2012年7月8日日曜日

海を渡る阿房列車(9) - Malmöの駅と街

トレレボリを列車が発車。定刻なのかどうかは分からない。そもそもベルリンを出たこの列車が止まる駅は、時刻表には載っていない。止まるのはザスニッツとトレレボリだけで、フェリーへの積み込みと積み降ろしだけ。敢えて言えば船内の駅に停車ということになるが。

トレレボリの港を横に見て、街を列車が出ると直ぐに農村地帯に入る。トレレボリはスウェーデンの南端で海に面していてどことなく明るい感じがする。海のある風景はいい。しかしスウェーデンの農村風景も悪くはない。牧歌的な風景が車窓を流れる。途中、昔駅であったろう場所を通るがプラットホームはもう見当たらない。


畑の緑は、麦だろうか。こんな牧歌的な風景の中を二両きりの列車が行く。外からこの列車を見れば、絵本に描かれたような光景なのかもしれない。

もう終着のマルメも近い。乗客はもう皆起きて降りる支度を初めているが、私の乗ったコンパートメントは、下のバースの乗客が寝台をたたんでくれないので席に座ることができない。コンパートメントの客車は、廊下に折りたたみの席が付いていることが多いが、この車両にはそれがない。廊下が、普通の座席車よりも若干狭いような気がした。

30分ほど走るとマルメ中央駅に到着。付いたのは地上ホーム。街並も整頓された感じで清潔感がある。ベルリンのように落書きだらけで殺伐とするということもない。

ただ人気のない街、ということが気になった。日曜日の朝ということもあるが、道行く人の姿がない。自動車も多くはない。

駅でホームの感じや、車室を朝の光の中で撮っておけば良かったと思うが、どうもそのときは降りるのが先でそこまで考えが及ばなかった。寝不足のせいだったかもしれない。

駅で腹ごしらえをし、まず向かったのは海に面した街区。港湾地区は、どこも似ていることがあるが、道が広く、どことなく殺伐としている。この日は、日曜日のだったせいもあるのか、人っ子一人おらずまるでゴーストタウン。こんなところを外国人の旅行者がうろつくものではないと思い、海を見て直ぐに退散。フェリー港は、倉庫街の先で、歩きではかなり距離があり諦めた。

港へ続く運河からは、この街のランドマークにもなっているねじれた高層ビルが見えた。

まず中央駅に戻り構内を見て、運河の対岸で一休み。煉瓦作りの趣のある建物。正面のファサードは、逆光で撮影できず。

旧市街に足を伸ばす。街の広場も閑散としている。逆光であまり写りがよくないが。これは市庁舎らしい。



清潔な街だが、本当に人気がない。みんなバカンスで留守なのだろうか。

ドイツのような木組みの家もある。

この旧市街の一角を見て中央駅に戻る。駅の地上ホームでは、長距離列車が出発を待っている。電気機関車はドイツ製か? 客車は、かなり古めかしい重厚な造り。この列車の前の二両は、簡易寝台車のようだが、昼間でも寝台利用だろうか。それとも座席車として利用しているのだろう。あるいは回送を兼ねて繋がっているだけか。よくわからなかった。

もう一度、駅のファサードの撮影に挑む。このときは陰っていたせいか、逆光もそれほどひどくない。撮影に成功。

駅の地上ホームもきれいで、改修したばかりの様だったが、地下ホームはもっと清潔で、無機質な造り。デンマークのコペンハーゲン行きの列車はこのホームから出る。