ご挨拶

乗り物好きを自任していましたが、このところ徒歩での旅行がマイブームです。

2010年9月30日木曜日

ドイツ-東アジア航路

久しぶりの更新になりました。

このごろ過去の船旅に思いを馳せています。関心の対象はドイツと東アジア、日本を結ぶ航路。

最近は、Die Ostasienschnelldampfer SCHARNHORST, POTSDAM und GNEISENAU des Norddeutschen Lloyd(『北ドイツロイドの東アジア急行汽船 - シャルンホルスト、ポツダム、グナイゼナウ』)という本を読んでいます。



船の歴史に詳しい方には説明の必要はありませんが、これらの船は1930年代の半ば、ドイツが国家の威信をかけて建造し東アジア航路に就航させた船です。それまでブレーメンから上海までドイツの船では52日もかかっていたのを34日に短縮させた画期的な俊足船です。

しかし北ドイツロイド社が単独で建造するには資金確保が難しく、当時のナチス政権下の政府から得た補助金をつぎ込んで実現した船です。その俊足は、その後欧州航路向けに造られる日本郵船の新田丸級にも影響を与えたことでしょう。新田丸級にも優秀船として国からの資金援助が入っていたということですから、この急行汽船と似ていますね。そして両方とも三姉妹というのも同じ。ただドイツの三姉妹は、それぞれ個性が強く、日本の三姉妹に比べるとあまり似ていないシュヴェスター(姉妹)です。

シャルンホルストは、日本に来航していたとき(正確には日本からの帰途)に第二次大戦が勃発し、帰りの航海ができなくなり、日本に留まりました。その結果、戦時中、優秀船として国家の援助で造られたNYKの新田丸級が航空母艦に改造されたようにシャルンホルストも日本に売却された後に日本海軍の航空母艦、神鷹に改造されました。その俊足が災いしたということになりますね。

紹介した書籍は、Prof. Dr. Peter Kuckuk(Dr. ペーター・ククーク教授)の作ですが、内装の写真もあって当時の船旅が偲ばれます。

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