ご挨拶

乗り物好きを自任していましたが、このところ徒歩での旅行がマイブームです。

2010年4月30日金曜日

MS Marylou(2)

(4月28日ベルリン・ミッテ地区にて撮影 - ほぼ真横から。背景は東ドイツ時代の規格建築。ここはかつて東ベルリンでした。)
さて、予告どおり、このMS Marylouによるクルーズのコースを紹介します。インターネットでもダウンロードできるその説明によれば、この日はBerlin City Cruise - Die pulsierende Großstadtというプログラムの第3日目にあたります。
プログラムの副題、ドイツ語のDie pulsierende Großstadtは、「躍動する大都市」という意味になりますが、このクルーズは34日でベルリンをぐるっと巡ります。
1日は、ラベル「港」でも紹介したベルリン・シュパンダウ港から出航し、ポツダムへと向かいます。第2日は、その、プロイセン王国の王宮都市ポツダムを後にToleptow運河を通ってベルリンを挟んだ反対側(東側)のKöpenick(ケーペニック)へ。ここはシュパンダウと同様に古い街並みの残る緑豊かな地域です。フリードリヒ大王が皇太子時代に企てた国外逃亡が発覚、失敗したときに、太子と協力者に対する裁判が開かれた王宮などが残っています。そして第3日は、そこからベルリン・ミッテ地区へ。「ミッテ」は地名ですが、ドイツ語で「中心」という意味を持っています。もちろんベルリンの「中心」です。そこで停泊してベルリンを「体験」し、最終日の第4日に出発地であるシュパンダウに戻ってきます。
パンフレットには地図が出ていますので、ベルリンを知らない方も位置関係がわかるでしょう。
しかしこのクルーズ、普通のクルーズとはちょっと違っています。(つづく)

2010年4月29日木曜日

MS Marylou(1)

(4月28日ベルリン・ミッテ地区にて撮影)

今日はちょっと意表を突く船を紹介します。写真はベルリンの中心部、フリードリヒシュトラーセ駅近くのSchiffbauerdamm(通り)に繋留されているMS Marylouです。シュプレー川の対岸のReichstagufer(通り)から撮影しました。

このずんぐりむっくりした小さくて愛嬌のある船、何だと思いますか。ちょっとオランダの家舟にも似ていますが。

実はこれ、歴としたクルーズ船です。「歴とした」というのはこんなに小さくても浴室/トイレ付のキャビン、レストラン、サロン、バーといったクルーズ船に必須アイテムを備えているということです。どれくらい小さいかと言うと長さ41m、幅5mで旅客用キャビン数8、ベッド数が最大32というかわいらしさ(参考:http://www.kvs-tours.de/de/touren/ship.htm?id=142)。繰り返しますが、それでもクルーズ船です。しつこい?

内部はデッキが2つで、下のデッキにキャビンがあり、他の施設は全て上のデッキにあります。

運航するのはKVS tours(ブレーマーハーフェン)という会社(サイト:http://www.kvs-tours.de/)。この会社の企画、船はどれもとても個性的でサイトを丸ごと翻訳したいくらいなのですが、これから少しずつ書いていきます。次回はこのMS Marylouのクルーズを紹介します。(つづく)

2010年4月28日水曜日

MS Charlottenhof(1)

MS Charlottenhof(ポツダム港にて4月17日撮影)

この船は、ポツダム白船団に所属する遊覧船MS Charlottenhof。手元の資料では、大きさや進水の年、沿革等はわからないのですが、東ドイツ時代に造られたものと見てほぼ間違いないでしょう。

その判断の根拠は、船腹の側面の波状の凹凸です。これは、東ドイツに限らず、社会主義国の交通機関によく見られたデザインで、中国やロシアの鉄道車両によくこのデザインが見られます。単なるデザインなのか、それとも比較的薄い鉄の薄板を歪みなく仕上げるための工夫なのか、強度上どうしても必要なのか、その辺りの深い事情は分かりませんが、ベルリンだと、地下鉄車両にこのタイプのデザインが残っています。

ドイツで見る遊覧船の船内は、日本と同様に進行方向に向かって垂直にテーブルが並べられているという配置が一般的ですが、この船の船内は改装されていて外に向かって着席できるようにテーブルが配置されているようです。といっても暖かい季節ならサンデッキの方がずっと気持ち良さそうですが。

Charlottenhof(シャルロッテンホーフ)は、ポツダムのサンスーシ公園内にある宮殿の名前です。この船の名前もそこからとったものでしょう。

2010年4月27日火曜日

ラベル(テーマ)の説明:コース/航路

新しいラベル(テーマ)を設定しました。「コース/航路」です。このテーマでは、興味深いクルーズや遊覧のコース、定期航路を紹介します。インターネットやカタログ、タイムテーブルから、どんなところを通るクルーズなのか、どんな都市や風景に出会えるのかといったことを書いていきます。もちろん時間と予算が許せば、実際に出かけて見ますが、そのときは「船旅」のテーマでレポートします。

実際に自分で体験したかどうかに関わらず、ベルリン周辺の面白そうな船旅を紹介するのがここでの狙いです。お楽しみに。

2010年4月26日月曜日

ベルリン・シュパンダウ港(5)

シュパンダウ湖の船溜まり(4月24日撮影)


シュパンダウ湖のプロムナードをMS Königsteinを求めてひたすら歩きます。この辺りは、ウォーターフロントが開発/再開発された地域で、湖を眺めながら食事のできるレストランや新築の集合住宅が広がっています。湖には、Eiswerderという中州が浮かび、橋や船溜まりが見え、大都市とは思えないのどかな風景が広がっています。

上空をテーゲル空港から飛び立った飛行機が鋭いエンジン音とともに通り過ぎる以外は、鳥の羽音と啼き声、小型船のたてる波音しか聞こえません。この飛行機の騒音も2011年10月に、市街地を挟んで反対側に建設(拡張)中のシェーネフェルト空港(BBIベルリン・ブランデンブルク国際空港)が完成すると聞こえなくなり、ここは静寂が支配する水郷都市になることでしょう。

そんなのどかな景色を眺めながら歩くのは楽しいのですが、お目当ての船は見当たりません。どこに隠れているのでしょう。

歩くこと45分あまり、歩みは、とうとうWasser Stadt(ヴァッサー・シュタット、英語ならWater Cityです)と呼ばれる新興住宅地まで来てしまいました。これ以上は望み薄と考えて探索を終えました。

やはりこの辺りにはクルーズ船の停泊する岸壁はなさそうです。もしかしたら今日こそは、二週間前に訪れた「シュパンダウ港」に停泊していたのかもしれません。確かめてから、こちらに来れば良かったと思っても、もはや後の祭り。MS Königsteinとの出会いは、次のクルーズがスタートする二週間後のお楽しみとしましょうか。

2010年4月24日土曜日

ベルリン・シュパンダウ港(4)


Spandauer See(シュパンダウ湖)

 このブログ、本格的に始まって二週間が経ちました。二週間前と言えば、クルーズ船MS Königsteinを見るべくシュパンダウ港に出かけた日です。その日は、まだ時間が早く、船はまだ入港していないものだと思ってあきらめたのですが、ちょっと腑に落ちないところがあります。
 MS Königsteinを運航するnicko toursから頂いたカタログFlussreisen 2010 - klein & feinを見ると15時から乗船開始、20時出航となっています。あの時間に見つけられなかったということはどこか他のところに停泊していたと考えるべきだと思い、同じクルーズElbromantikがスタートする今日、4月24日(土)、再びシュパンダウ港を訪問しました。
 駅を降りて向かったのは、前とは反対方向の北側。旧市街を出ると水門がありそれを通り越してさらに北に向かいます。この辺りはSpandauer See(シュパンダウ湖)という湖になっていてウォーターフロントがよく整備されています。
 プロムナードのある公園を抜けさらに北へと歩いていきますと遊覧船乗り場や繋留されている小型船が見えて来るのですが、MS Königsteinの姿はありません。
 さらに水辺を歩いて北に向かいます。(つづく)

MS Sanssouci(1)

MS Sanssouci(ポツダム港にて4月17日撮影)


 昨日紹介した蒸気船Gustavとは打って変わってこちらはポツダム白船団有限会社の最新鋭船でありフラッグシップでもあるMS Sanssouci(サンスーシ)。以前、ベルリン・シュパンダウ港で見かけたクルーズ船MS Sans Souci(サン・スーシ)とは別物です。

 Gustavと比べると、宇宙戦艦ヤマトとアンドロメダぐらい違いますね(これわかる人、私と同じくらいの歳でしょうね)。この会社が所有するどの遊覧船よりも大型で、ポツダム周辺の狭い水路では操船が難しそうですが、大丈夫なのでしょうか。たぶん、この日この港で出航を見送ったクルーズ船MS Frederic ChopinとMS Katharina von Boraと同じくらいの長さでしょう。

 サロン外壁の黄色は、ポツダムでフリードリヒ大王が営んだ、世界遺産にも登録されているサンスーシ宮殿の壁の色を模したのでしょう。窓の形もその流れですね。頭が大きいようですが、船腹、特に舳先はヨットのような流線型をしています。水の抵抗、燃費を考えての設計でしょうか。

 動力は何でしょう。そばで聞いていてもエンジンの音がしないくらい静かでしたので、ディーゼル・エレクトリック方式かもしれません。

 サロンは広々として、サンデッキも巨大ですが、船としての魅力にはちょっと欠けるかな。

2010年4月22日木曜日

Gustav(2)


 写真は、Gustavがポツダム港を出ようとするところです。この先の道路橋がかなり低いので蒸気船独特の高い煙突を途中で折り曲げてくぐれるようにしています。しかし蒸気船に限らず、川を航行する船舶は橋梁や水門など他の建造物による制約が厳しく、そこを通過するための工夫を余儀なくされることがあります。

 昔の船(蒸気船)はGustavのように高い煙突を一時的にたたみましたが、ディーゼル機関の船でも煙突が上に突き出たものは、それが引っ込むようになっていることもあります。去年乗ったライン川のクルーズ船MS Bellrivaがそうでした。そしてこの日見たクルーズ船MS Frederic ChopinとMS Katharina von Boraは、操舵室が上下するようになっています。同じ航路を往復しているからどこで何をしなければならないのかはよく心得ているのでしょうが、乗組員にとっては煩わしいでしょうね。


 写真のGustav号、船体が実に美しいラインだと思いませんか。海の船と川の船は違いますが、横浜港の氷川丸のようなクラシックな曲線。惚れ惚れします。

 背景の建物は、ブランデンブルク州の州議会です。こちらはかなり直線的です。

Gustav(1)

 4月17日(土)にポツダム港を訪問したとき、お目当てのクルーズ船MS Frederic Chopin、MS Katharina von Boraだけでなく、何隻かの遊覧船にも出会いました。

 そのうちの一隻がこれ。蒸気船Gustav(グスタフ)です。手元の資料によると、1908年に作られたそうですが、本当にオリジナルなんでしょうか。その資料Fahrplan 2010 Schifffahrt in Potsdamには、Das Original aus dem Jahre 1908、つまり訳せば「1908年のオリジナル」ということですが。オリジナルは1908年のものだけど、それをモデルに再現したんだよ、なんてことはないですよね。

 シュパンダウ港で見たMS Heiterkeitは1909年製でしたが、もしオリジナルのままならそれよりも古いことになりますね。しかもMS Heiterkeitが動力を蒸気機関からディーゼルに転換したのに対して、こちらは蒸気機関で動いているというのだから驚きます。

 鉄道だと蒸気機関車、ディーゼル機関車、電気機関車は一目瞭然(なんて言うのは「鉄子」と「鉄男」だけ?)ですが、船の場合は、船体だけではどんな機関で動いているかわかりませんね。でもこの高い煙突は、伊達ではないようですよ。(つづく)

2010年4月21日水曜日

MS Katharina von Bora(1)







 出航するMS Frederic Chopinの後を追って、またMS Frederic Chopinが!、と思ったら姉妹船であり僚船であるMS Katharina von Boraでした。この二隻、全く同じ格好をしており、私には区別がつきません。よく見れば、窓の位置や数、装備の位置が微妙に違うのかもしれませんが、まだ発見できません。瓜二つの姉妹です。
 この二隻は、今回ポツダムを出航して、ハーフェフ川からエルベ川に出ると、そこを遡り、マイセンドレスデンに泊り、「ザクセンのスイス」と呼ばれる渓谷を経てプラハへと向かいます。土曜日にポツダムを出航するとプラハ到着は次の金曜日。乗客はそこで一泊して土曜日に下船しますが、その午後には次のクルーズ客を迎えます。そして翌日の日曜日にプラハを発ち土曜日にポツダムへと戻って来るという日程で運航されています。つまり2週間で再びポツダムへと戻って来るということになりますね。
 この二隻、夏には航路を変えてポツダムとバルト海沿岸のシュトラールズントの間を往復しますが、やはり二隻一緒のタンデム運航?です。一隻ずつのキャパシティーが小さいので、二隻一緒の運航という形をとっているのでしょうか。
 ポツダム港から北へ進路を取りましたので、出航するとポツダム会談の会場として有名なツェツィーリエンホーフの前を通過してSacrow-Paretzer運河を通ってブランデンブルク方面へ向かうようです。コースがわかりましたので、いずれ他の場所での撮影に挑戦したいものです。

2010年4月19日月曜日

MS Frederic Chopin(2)


MS Frederic Chopinの出航準備。操舵室が低い位置に下ろされています。



MS Frederic Chopinがポツダム港を出航していきました。向かう先にある橋がかなり低い。

 ポツダム港訪問の記事で書きましたが、この日(4月17日)は港では催し物があり、遊覧船も次々に出たり入ったりするのですが、お目当てのMS Frederic Chopinの姿が見えません。ポツダム港は、他にもあるのかなと駅と港の間のいろいろなところを探しますが分かりませんでした。16時頃、遊覧船乗り場に戻ってきましたがやはりMS Frederic Chopinの姿なし。

 シュパンダウ港に続いて今回もお目当ての船に出会えないのかとあきらめかけたそのとき、まだ探していないところがあるのに気がつきました。それは遊覧船乗り場の岸壁をさらに南に進み、鉄道線路の橋の下をくぐった先!

 行ってみると、やはりここにいました。エレガントな白い船体が岸壁に着けられています。

 ようやく見つけたMS F Chopinを撮影していると乗客が次々に到着し、出航の準備が始まりました。タラップを収納し、操舵室を最も低い位置に下ろし(橋が低いのでそれをくぐれるように操舵室が上下に動くようになっています。)、とも綱を解くと17時ぴったりに出航していきました。そしてその後を。(つづく)

2010年4月18日日曜日

MS Frederic Chopin(1)


 この日のポツダム港訪問は、クルーズ船MS Frederic Chopin(写真)がお目当てです。企画、運営はドイツのnicko tours(在シュトゥットガルト)です。この会社から送って頂いた2010年のクルーズカタログにこの船のデータが掲載されています。

 全長:83 m、全幅:9.5 m、トン数?。キャパシティーは、キャビン数42で乗客80名です。海のクルーズ船と比べればもちろんですが、ライン川やドナウ川のクルーズ船と比べても小ぶりです。海の船は、最近大型化がとことん進んでいるようで、今では海に浮かぶリゾートホテルを超えて海に浮かぶ総合レジャー施設、あるいは「都市」のようなものまでありますね。QM 2は、大きすぎて、横浜の内港には入れないとか。ハンブルク港はエルベ川の河口に位置しますが、QM 2は入って来られます。横浜は、東京湾とはいっても海ですから、内港もそうとう広いのかと思っていたのですが、結構制約がきついのですね。ベイブリッジって案外低いのでしょうか。いや、それにもましてQM 2が大きいということなんでしょうね。

 さて川の場合、どんな大河と言ってもやはり川幅や港の水深の影響からそれほど大きなものは作れないでしょうし、MS F Chopinの場合は、航行するエルベ川、ハーフェル川によって大きさがかなり制約されているようです。

 上記のカタログから、この日はこの船がポツダムから17時に出航と言う情報を得ていたのですが、実はポツダムの港に来てもなかなかその姿を見つけることができませんでした。(つづく)

ポツダム港(1)


 4月17日(土)、ベルリンの隣町で、ブランデンブルク州の州都ポツダムに行ってきました。天気は晴れ。気温はそれほど高くありませんでしたが、明るくぽかぽかの一日でした。先週の雨の降り出すシュパンダウ港とは正反対の船舶ウォッチング日和(?)でした。

 ハーフェル川の畔に位置するポツダム港は、ポツダム中央駅を出てハーフェル川にかかる橋を渡るとすぐそこ。岸壁は、東ドイツ時代からある高層ホテルを背景にして橋のたもとから鉄道の線路をくぐってさらに続いています。

 訪れたこの日、ちょうどウォーターフェスティバルが行われていて、屋台が出たり、港の周りはかなりの人出でした。港に面した建物には、Potsdamer Weiße Flotte(直訳すれば「ポツダム白船団」、つまり遊覧船船団ですね。この地に限らず、観光船団のことをドイツではよくWeiße Flotte(白船団)と呼びます)のチケット売り場があり、清潔なトイレもあります。急に雨が降ってきたり寒くなったりというときには、ホテルのロビーや飲食店も逃げ込むことができますので、船を待つ人、船を見る人、港を散歩する人にもやさしい環境です。

 陽気もさることながら、この環境は先週のシュパンダウ港とは対照的です。港ランキングでも作って表彰したいところです。星を付けるなら4つ星というところでしょうか。

 ポツダム港についてはもっと書きたいところですが、沢山の船を見てきましたので、まずはそれを紹介していきます。


2010年4月17日土曜日

MS Heiterkeit(4)

 特別運航の計画は、このページに掲載されていますが、主に月曜日、そして祝祭日など特別な日に行われています。私の興味のあるものを拾ってみます。

 今年の5月9日に行われるブランデンブルクまでの運航は、往復11時間にものぼるものですが朝食付で20ユーロ。このコースは、年に何度か運航されるようですが、ハーフェル航行もポツダム以西には行ったことがありませんので興味があります。ドイツのホテルに泊まると朝食が充実しているのにびっくりすることがありますが、船上での朝食はどうなのでしょうね。

 あとは、8月23日のテルトー運河(Teltowkanal)航行も面白そうです。ここにも何箇所か水門があったはずです。ただ運河ファン向けのコースでしょうね。ベルリン市の南のはずれを通るので景色はあまり良くないかもしれません。

 それと大晦日の運航はブランデンブルク門の近くまで行くようです。人ごみと寒さは苦手だが、カウントダウンや花火など市中心部の年越しの様子を味わってみたい方にはお薦めです。上陸できるのかどうかは不明ですが、ビュッフェ式の食事、飲み物、DJ込みで6時間、80ユーロ。

 データは2010年4月半ばのものですが、参加しようという方は、ご自身で確認をお願いします。

2010年4月16日金曜日

MS Heiterkeit(3)

 MS Heiterkeitには、運航会社によって開設されたサイトがあります。MS Heiterkeitの運航は、そのサイトの運航計画(Fahrplan)に載っています。

 それによると定期航路と特別運航のコースがあるのが分かります。まず定期航路ですが、ヴァンゼー、プファウエンインゼル(孔雀島)、クラドーを経由する七湖巡り(月、4時間、12ユーロ)、水門を通過し帝国議会議事堂(現ドイツ連邦議会議事堂)などベルリンの政治地区を眺めながらフリードリヒシュトラーセ(通り)まで行って帰ってくるシティーツアー(火、4時間、12ユーロ)、ポツダムの先のヴェルダーまで行って帰ってくるハーフェルゼー遊覧コース(木、8時間、12ユーロ)などがあります。

 七湖巡りはヴァンゼーの船着き場発の別の船で行ったことがあります。湖と言っても運河で繋がった小さなもので、言われなければ湖と気がつかないものもあります。ベルリンの中心部、政治地区を巡るものは、水門も通過するとのことですから、運河ファン?にはぴったりですね。水門というのは、パナマ運河などでおなじみの閘門を備えて、水路の高低差を克服するものです。

 どれも結構な時間がかかりますが、途中で何箇所かに止まるので、そこでも下船しても良いようです。ただし料金は変わらないそうですよ。下船前途無効ということですね。

 情報は2010年4月半ばのものですが、変更の可能性もありますので、もし参加しようという方がいましたら主催者にご確認下さい。

 次回は特別運航コースを見てみましょう。(つづく)

2010年4月15日木曜日

MS Heiterkeit(2)

 説明書きにはMS Heiterkeitの歴史がかかれています。それによると、この船は1909年!Neustrelitz(ノイシュトレーリッツ)の造船所で進水し、そのときの名前はKarl Wilhelm。当時は蒸気船でエルベ川とオーデル川の間を運航する曵船として利用されていたそうです。

 第二次大戦後には、物資の買い出し客を乗せてWerder(ヴェルダー)へと運航するようになり、50年代には客船に改造され、動力をディーゼルエンジンに転換しました。そして名前を現在のMS Heiterkeitに変えてシュパンダウからヴァンゼー(湖)方面へ運航されるようになりました。ベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツが併合されると、さらにポツダムやヴェルダー(いずれももと旧東ドイツ地域)へ、また2006年に現在の所有者のものとなるとベルリン市中心部やクラドー、ブランデンブルクへと運航領域を拡大していったということです。

 この船が誕生した100年前は、ディーゼルエンジンの船ではなく、蒸気機関で動く蒸気船だったのですね。たしかに! 写真を見ると、煙突がないのが物足りない感じがします。そして買い出し列車ならぬ、買い出し船として活躍し、ベルリンの壁の崩壊を見届けて、さらに運航を続けている。まさにドイツの20世紀の結晶のような船です。

 次は、この船の現在の航路を紹介します。(つづく)

2010年4月14日水曜日

MS Heiterkeit(1)


 4月10日のシュパンダウ港訪問は、お目当てのKönigstein号には出会えませんでしたが、3隻の客船を発見しました。その中でMS Heiterkeit(MS ハイターカイト)は気になる存在です。
 遊覧船乗り場に停泊しているこの船は、繋留のされている位置が悪くて写真に納まりませんでしてが(写真は後日にご期待)、その船容にはただならぬものを感じます。古い船のようですが、何とも言えない風格を漂わせています。いったいどれくらいふるいものでしょうか。
 訪れたこの日は運航はなかったようですが、繋留されているのは専用の場所なのか、その歴史を説明するプレートが掲げられていました。それによると、なんとこの船1909年の進水だそうです。
 次回はこの説明書を頼りにこの船の履歴をレポートします(つづく)。

2010年4月13日火曜日

ベルリン・シュパンダウ港(3)

 鉄道橋、道路橋をくぐるとたくさんの船舶が係留されているのが見えてきました。ほとんどが貨物船、油槽船です。この日は週末だからか、あるいは復活祭の休暇がまだ続いているのか、私の見たところ船の出入りはあまりありません。船には、ポーランドの船名、地名らしきものが読み取れます。ここシュプレー川/ハーフェル川は運河、オーデル川を経由してポーランドの河川にも繋がっていますので、そこと行き来する船も多いようです。
 この岸壁、地図で見ますとSchiffahrtsuferという名前が確認されます。日本語に直訳すると「船舶航行河岸」となりますので名前から古くからのシュパンダウ港の中核であることが分かります。
 この岸を行けるところまで行ってみましたが、やはりKönigstein号の白い船体は見当たりません。その代わりシックな色の客船が係留されていました。船名はSans Souci(サン・スーシ)フリードリヒ大王がポツダムに営んだ無憂宮(サン・スーシ宮殿)と同じ名前の船です。
 Königstein号は、私の得た情報によれば、20時に出航ということでしたから、ここでねばっていれば、出会えたのかもしれませんが、雨も降って来ましましたのでSans Souciとの出会いを収穫としてあきらめることにしました。
 次回からはここで出会った船を調べてみます。

MS Sans Souci

2010年4月12日月曜日

ベルリン・シュパンダウ港(2)

 ベルリンの旧市街をシュプレー川に沿って南(下流)に歩いていくと道路橋があり、それをくぐると停泊する船の姿が見えてきました。それも客船のようです。近づくとそこは遊覧船の発着場になっているのが分かりました。地図で確認するとここはLindenstegという、川沿いのプロムナードでした。
 ここで見つけたのはBEROLINAMS Heiterkeitの遊覧船二隻。その他、ベルリン地域では大手の遊覧船オペレーターStern & Kreisの発着場もありましたがこの日は停泊している船はありませんでした。ちなみにここからは、以前ちょっと紹介したKladowや、もっと遠くBrandenburgへの便が出ています。
 シュパンダウの「客船ターミナル」は発見でしたが、ここにも期待したKönigstein号の姿はありません。さらに歩いてみましょう。(つづく)



BEROLINA号

2010年4月10日土曜日

ベルリン・シュパンダウ港(1)

 4月10日(土)、ベルリンの北西部に位置するシュパンダウ(Spandau)に行って来ました。ここは、ベルリンには珍しく、中世の面影を残す街区ですが、ここにあるシュパンダウ港が、クルーズ船の発着地になっているようです。
 何度か訪れたことのあるシュパンダウですが、クルーズ船の発着するような岸壁があったかどうか記憶が定かでありません。訪問の理由は、今日20時頃までここに停泊しているはずのKönigstein(ケーニヒシュタイン)というクルーズ船の姿を見ることだったのですが、はたしてお目にかかれるでしょうか。
 シュパンダウ旧市街のLindenufer沿いの岸壁に行ってみましたが、それらしき船はおろか貨物船すら見当たりません。シュプレー川に沿って下流へと歩いてみます。気温摂氏12度、春にしては肌寒い陽気でしかもさっきからぽつぽつと雨が降り始めています。(つづく)